ついに始まりました! 産卵場所への大移動!!
雨の夜、サンショウウオが路上のあちこちに出ていたのです。
(アカガエルやヒキガエルとともに、車にひかれたものも…)
ハコネとクロ連れ帰ったのは、クロサンショウウオ6匹(うち子持ち♀2)、
ハコネサンショウウオ1匹(ハコネの本格的な遡上は、半月ほど先と思われます)。

ハコネ&クロ2
期間限定の飼育展示。倒木を持ち上げると、下にひそんでいるのが見えます。
10℃に冷却した水を地下水として流すことで、地上を15℃に保っています。
セラミックボールは軽いので、潜るのが好きな彼らにはちょうどよさそう。

路上に出ていたということは、故郷の池から少なくとも500m以上、
道路を越え、谷間の方まで分散していたということで、
産卵期には標高差50m以上を、身重の体を引きずりながら登っているわけです。
なのに、500m圏内に入る隣の池では繁殖していないのが不思議です。


クロサンショウウオの青い個体
「黒山椒魚」とはいえ、青い星がきれい。

今年は昨年より雪解けが二、三週間遅いです。
最近、暖かくなり、だいぶ解けたとはいえ、彼らを動かす一雨が、
なかなか来なかった…
こんな春は、条件の良い日に多数が一気に目覚めて動き、
産卵が短期集中的に行われるようです。


クロ雌雄
水に入っているクロサンショウウオ(左下オス、右上メス)。
このオスの模様はかなり個性的で、尾の色は西日本にいる
カスミサンショウウオに似た特徴が出ています。
共通の先祖が持っていた遺伝子が現れた?

繁殖池の雪は、二、三日で驚くほど解け、
沖合には第一陣が産んだ、卵らしい白い塊も見えました。
サケが川をさかのぼるように、
今、一斉に池へ向かう大移動が起こっているのです。