新緑の沢では、清水の滴る岩の下や地下水脈から、
ゴワッ、コワッ、グゥ・・・という不気味な地鳴りのような、
タゴガエルの声がします。毎年、藤の花が咲く頃です。

新緑の沢
左の赤いのはトラップ。
沢を登ろうとして、足をすべらせたタゴガエルが落ち込みます。

メスたち
臨月の妊婦さんたち。メスがトラップに入り始めると、
繁殖期も大詰め。ここで捕獲はやめます。
メスの腹側
繁殖期、のどがいつも以上に黒ずんできます。
産卵中
情報館へ連れ帰ると、待ちかねていたオスに抱きつかれ、
その夜のうちに産卵しました。

左の卵塊と右の卵塊は、それぞれ別のメスによるものです。
タゴガエルの卵、まして産卵シーンは、
なかなか見られるものではありません。

水槽の中では、♂:♀=3:3のお見合いでした。
一年前から情報館にいて越冬した1匹のオスは、鳴いても高い声しか出ず、

メスにモテなかったもよう。父親にしてあげたかったんですが…。
低い声の出る新着オスが、すべての卵の父親になったかもしれません。

卵塊
卵黄が多く白っぽい、大粒の卵。
これで100粒くらいでしょうか。大卵少産型です。

今年も白い小人たちの物語が始まります。
http://manzanc.jp/info/2019-07-18-08-30-58

前回のクイズの答
4)えら が正解でした。

ヒキガエルのは「外えら」。
ヤマアカガエルの外えらは、生まれて2~3日で消えますが、
ヒキガエルは一週間以上たっても、外えらが消えません。

ヤマアカガエルはもう「内えら」になっており、
矢印の部分は、正確には「呼吸孔」といいます。
ヤマアカガエル内えら
呼吸孔は左側だけにあります。
イカが水を出し入れする「ろうと」に似ていますね。
(あれは、イカの口ではありません)