秋のハコネサンショウウオ
流されても、また泳いだり這ったりして
遡上する、強い意志の持ち主たち。

ハコネサンショウウオが産卵のため、
初夏に沢を登っていたことは
前にお伝えしましたが、秋も大移動し、
沢を登っていることが確認されました!

ある雨の夜、何匹も道路を歩いていました。
そこで、沢に罠をしかけると、一度に7匹も!
源流をさかのぼって湧水にもぐりこみ、
温度が安定した(約10℃)地下水中で冬を越すのでしょう。

秋のハコネサンショウウオ
細長く、ニョロニョロとすばやいのがハコネの特徴。

しかも、捕まえた9匹のうち、
メス3匹は、お腹に卵が透けて見えました。
オス6匹は、メスに抱きつくため、足が肥大ぎみ。


ハコネの遡上と抱卵
遡上するメス(左)と、お腹に透ける卵(黄色矢印)

ハコネサンショウウオは、地方によっては初冬産卵が
知られていますが、どうやら万座でもその様子。
ちょっとした発見です。


クロとハコネ
コケの上のクロサンショウウオ(赤矢印)と、
水から出てきたハコネサンショウウオ(黄色矢印)。
期間限定の飼育展示、まもなく終了です。

サケの遡上やサンマの回遊と同じように、
今、人知れず、ダイナミックな動きが起こっているのです!