万座ハイウェイ沿いは、春から秋まで絶えない、細長いお花畑です。
道路沿いは林の外なので、日当たりがよく、
草原性の花にとって楽園でもあり、最後の砦です。
そんなお花畑を維持管理しているのがマルハナバチの仲間。
たとえば、ツリガネニンジンの花の形は、マルハナバチばかりに来てもらうために進化したもの。
マルハナバチは賢いので、今、ツリガネニンジンが蜜を多く出していると知るや、この花ばかりを集中的に訪れます。
そして器用にぶら下がって蜜を吸い、体を震わせて花粉を体に浴び、巣へ運びます。
その途中に寄った別のツリガネニンジンにも、花粉が移ります。
ツリガネニンジンにとっては、とても有難いわけです。
同じ巣のハチでも、ツリガネニンジン、ウツボグサ、ノハラアザミ、ホタルブクロ、オオバギボウシ、ツリフネソウ…と、専門職に分かれます。
でも、たまに浮気をするので、一つの花の盛りが終わったとき、柔軟に次の花へターゲットを移せます。
花の側からすると、マルハナバチの奪い合いにならないよう、少しずつ花の盛りをずらして咲いているので、
結果的に、春から秋までマルハナバチの蜜源も途絶えることがなく、花ごよみが続きます。