雨の夜道で、子持ちのハコネサンショウウオを見つけました。
これまでで一番、万座温泉に近い場所です(標高1650m)。
200516night
下腹部が卵でふくらんでいます(黄色い矢印)。路傍にはまだ残雪が。

近くには弦ヶ池。でも、ハコネサンショウウオは池には来ません。
源流をさかのぼり、水の湧き出し口から地下水に入り込んで産卵します。

最も近いのは「本白根沢」ですが、そこは硫黄で真っ白な「死の沢」。
はて、この母さんサンショウウオは、どこへ向かう?

翌日、あたりを探してみました。
すると…

地下水脈を探す

幅10cmほどのささやかな小川が、
道路の下を貫通する土管から流れ出していました。

ハコネサンショウウオは、とにかく登ってもぐり込み、
真っ暗な地下水中で産卵することを、何億年も続けてきた動物。
ここしか考えられず、母サンをここで逃がすことにしました。

よく、林道わきの法面(のりめん)に、こんな場所ありますよね(下の写真)。

モルタルの法面
林道わきでしばしば見かける、モルタル法面から地下水を抜く塩ビ管。
ハコネ稚魚出た
こんなところから、生まれて数か月(3cmくらい)の稚魚(?)が
ちゅるんと飛び出してくることもあります。
親は別のところから産卵場所へ入ったのだろうと思いますが、
網の目のような地下水脈は、出口がいくつもあるのでしょう。

前回のクイズの答
3)ある魚のウロコ
でした! 詳しくは、また改めて。