万座の沢を、今、ハコネサンショウウオが産卵のためにさかのぼっています。ふだん森の地上で暮らしている彼らも、生まれ故郷は地下水源の奥。産卵のときだけでなく、夏は暑すぎるので地下水へ、冬は寒すぎるので地下水へ。年間通して10℃の地下水を、安住の地として開拓したパイオニアです。
陸上での活動は、春秋の4ヵ月程度。次の繁殖のためエネルギーを蓄えるのに、オスで2年、メスで3年かかります。万座には、イワナやカワネズミのいる沢もあります。